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なんでもメモする場所

千早茜『さんかく』

千早茜『さんかく』祥伝社2019

 

どうして、どんな極小な骨も見逃さない観察眼が、自らの顔には発揮されないのだろう。それとも、わざと鼻毛を見せているのか。

 

よく見ると、足の爪は赤く塗られていた。なんとなく高村さんにはそぐわない色に思え、俺はそっと目を逸らした。

異性として意識していなかった人が異性であると認識し、なんとなく不快になった描写? が好き。

 

昔は、この横顔を自分だけのものにしたいと思ったこともあった。でも、いまは違う。もう、このひとには、なにも期待してはいない。婚期を逃した私には焦りも失うものもない。

 

「私ね、諦めて一人になったの。仕事も、プライベートも(. . . )いろんなことに疲れて一人になったんだよね」

 

彼と一緒に暮らしてから、SNS をぐるぐるまわって寝られなくなる夜は減った。

 

高村さん、完璧な人に見えて人間味がありすぎる。