2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
ミア・カンキマキ『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』末延弘子訳、草思社、2021 平安時代の宮廷世界は美に捧げられた宇宙で、それらを支配しているのは歌であり、書であり、音楽であり、恋愛だった。これは、世界中のどこにもなかった文化だ。 ど…
山本文緒『そして私は一人になった』KADOKAWA、1997 泣いていても夜空に消えてしまった原稿は帰ってこない。 異常なぐらい私は日記をつけるのが好きなようだ。 前に「小説現代」に掲載された「プラナリア」という短編の扉絵があまりに素敵で気に入って、「も…
落下する夕方(江國香織、KADOKAWA、1996) 2杯目の紅茶をつぎ、ミルクを入れてかきまわす。小さなスプーンは、カップに触れるといかにも喫茶店然とした、空々しく、女々しい音を出す。 「コーヒー、お砂糖はなしでミルクだけたくさん入れてね」 私の「でも…
宮本佳実『可愛いままで年収1000万円』WAVE 出版、2015 自分の「好き」の基準がわからなくなったら、憧れの人のセンスを少しだけ取り入れてみるのも、一つの手段だと思います。 あらかじめ自分が「こうだったらいいな」という1日をつくっておくのです。 夢を…