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市川沙央『ハンチバック』

ハンチバック(市川沙央、文藝春秋2023

 

障害を持つ子のために親が頑張って財産を残し、子が係累なく死んで全て国庫行きになるパターンはよく聞く。生産性のない障害者に社会保障を食われることが気に入らない人々もそれを知れば多少なりと溜飲を下げてくれるのではないか?

 

アメリカの大学では ADA に基づき、電子教科書が普及済みどころか、箱から出して視覚障害者がすぐ使える仕様の端末でなければ配布物として採用されない。日本では社会に障害者はいないことになっているのでそんなアグレッシブな配慮はない。

 

こちらは紙の本を1冊読むたび少しずつ背骨が潰れていく気がするというのに、紙の匂いが好き、とかページをめくる感覚が好き、などと宣い電子書籍を貶める健常者は呑気でいい。