小倉紀蔵『韓くに文化ノオト 美しきことばと暮らしを知る』
韓くに文化ノオト 美しきことばと暮らしを知る(小倉紀蔵、筑摩書房、2023)
動物の「くま」。韓くにでは「コム」といいます。
「わだつみ」の「わだ」。「海」という意味ですが、韓くにでは「パダ」といいます。
儒教を学ぶ学生たちには、四書を誦じることが要求されていた。その修行のために、山中の書道に三年間籠って勉強する学生たちも多かった。
冗談なのかこれ?
「始まりが半分だ」という韓くにのことばがある。「百里の道は九十九里を以て半ばとす」という日本の諺とは正反対のことばである。
楽天的、というか、自分の能力の可能性を根っこから信じ切っているというか。
わたしの知る某教授は、その学問的業績も業績だが、修能試験で全国二位だったことが学生たちから尊敬される理由のひとつとなっていた。このメンタリティこそ、あきらかに科挙の伝統の国のものである。
(. . . )思わずわたしは一瞬、もう一度日本を捨てて韓国に住もうか、と考えたものだ。
冬沈(トンチミ)ククスを食べた時の文章。おいしい食べ物がある土地は住める。
庖丁は日本製の出刃を使っています。韓国製は何匹か切るともう刃がだめになる。
『オールド台湾食卓記』でも京都で包丁を買っていたな。日本の包丁は優れてるのかな。
明洞は明治町と呼ばれ、本町(いまの忠武路)とともに日本人の商業、遊興の中心地となった。このあたりを中心にしてモダンな文物がソウルに浸透したのであって、これは当時の朝鮮では劇しい逸脱であった。
知らなかった。
「山」は日本語で「yama」、韓くにの古いことばで「mëy」または「moy」。
「os」は韓くにことばで「衣服」、「so」は古い日本語で「衣服」。
行く寺行く寺ほとんどが、豊臣秀吉の軍によって、約四百年も前に焼かれてしまったのだ。
かつてもいまも、韓国は「ハン」の渦巻く社会である。というのは、朝鮮半島は地政学的にいって、外部からの圧迫と攻撃につねにさらされていた地域だし、またその社会の内部も、圧政と差別と暴力によって彩られるしくみになっていたからである。
作者が高校一年生から旧かな、旧漢字を使っているというのに笑う。おもしろい人だなぁ。