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甘糟りり子『産まなくても、産めなくても』

産まなくても、産めなくても甘糟りり子講談社2019

 

無教養というのは知識のなさを指すのではない。想像力を欠いていることだ。

 

寄せては返す波を見ていると、不妊治療なんてしょせんは自然のリズムに歯向かうことでしかないと感じてしまう。

こういうこと考えちゃうよなぁ。でも私も未熟児で生まれたし、現代医療がなかったら死んでた。自然に逆らうことを否定したら、そもそも自分の存在も否定することになるな。

 

そういえば、「東京ニンカツカフェ」のゲストだった元アナウンサーが、小さな気分転換を重ねることが大切だといっていたっけ。

 

人生は、若くない女にどこまで意地悪なんだろう。

 

この世の中にいるすべての人間は、消えていった数えきれない精子たちからしたら、みんな超幸運、いや超強運な存在なんです。

 

時子は夫が大好きだ。恋愛感情を乗り越えた先の、お互いの存在が溶け合っているような感覚がある。

 

「こんなにいろんなことが可能になるなら、そのうち男性が子供を産めるようになっちゃったりして……」

「それ、理論上では可能なんですよ。縫合の問題とかをクリアできれば」

もし可能になっても男はそんなことやらないだろうね。

 

  • 出産で死ぬ人の話が良かった。改めて、出産は命懸けだと周知してほしい。
  • 最後の『マタニティ・コントロール』、オチがちょっと予想できてた! でも男が出産に苦しんでるのを見ると、失礼だけどスカッとする。