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メモ『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』浅田義正・河合蘭

浅田義正・河合蘭『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』講談社、2016

 

おもしろいところ、役に立ちそうなところのメモ

 

日本の文化には「できるだけ自然にしているのがよい」という無為自然を尊ぶ考え方がありますが、そのためか、まず治療の開始年齢が遅いという傾向があります。(. . . )このことは、日本で今よく売れている不妊の本のほとんどが、食事の改善や「冷え」予防など自然療法の本であることを見れば一目瞭然です。

 

確かに…。

 

少し前まで、卵子は、排卵してから 6 ~ 12 時間だけしか受精できる能力を保っていられないと考えられていました。最近になって 1 日以上経った卵子でも出産例があることが報告されていますが、それでも、せいぜいそれくらいです。

 

やがて、顕微鏡下で見えてくる最初の変化は、卵子の染色体と精子の染色体が「前核」というふたつの核を形成するというものです。それらが合体してひとつの核となると、この瞬間から、父親と母親から DNA を半分ずつもらった新しい命が生命活動を開始します。

 

神秘!

 

ふつう細胞の寿命というものは、たかだか 3 カ月くらいしかありません。(. . . )それなのに、なぜ卵子だけが 40 年間も生きられるのでしょうか。(. . . )でも、そのメカニズムについてはまだ何もわかっていません。

 

神秘…。

 

意外に聞こえるかもしれませんが、同じ年頃の人なら、異常が見つかったカップルのほうが早く対策が取れ、早く妊娠します。

 

妊娠率は結局、卵子の数より質が問われるものだった、ということです。

 

タイミング法を行うだけでパッと妊娠している人もけっこういるように思います。ただし、一般不妊治療で妊娠するカップルのほとんどは、治療を初めてまもなく妊娠します。

 

じつはもっとも妊娠しやすい日は排卵日ではありません。妊娠を希望する女性たちを調査した 2002 年の研究報告によると、妊娠に至ったセックスの多くが、排卵日の 5 日前から排卵日までの 6 日間に行われたものでした。

 

 現在では基本的に、不妊治療は、全体で 2 年以内に結果を出すプランを考えるべきだと言われています。妊娠率が頭打ちになる回数に達したら、次の方法にステップアップするということをやっていくと、だいたいそれくらいの期間に収まるからです。

 

幸いなことに、人工授精で妊娠できなかったカップルが体外受精に進むと、初回の妊娠率がかなり高いという特徴があります。

 

食事や運動など、普段の行動で妊娠力が変わるということはほとんどありません。

 

ディッシュに入れられた精子は、不思議なことに、目も鼻もないのに卵子のいる方向を認識して、一斉に卵子に向かって泳いで行きます。その仕組みはまだよくわかっていません。

 

神秘…。

 

実際、体内で妊娠する際の最大の障害は、卵管が排卵してきた卵子をとらえられない「ピックアップ障害」だということが最近わかってきました。(. . . )そのため、こうした場合にも体外受精がすすめられます。

 

流産のほとんどは、時期が違うだけで、妊娠しないことと同じ現象です。染色体の異常などによって、胚自身の育つ力がなかったために起こります。

 

・イギリスは不妊治療が国費でまかなえるのか~。いいなー。