山内マリコ『選んだ孤独はよい孤独』
選んだ孤独はよい孤独(山内マリコ、河出書房、2018)
角岡さんは自分を重要人物だと思わせる存在感を出すのが上手いだけで、全然仕事してなかった。まあ、そういう男性社員って多い。彼らはなんの悪気もなく、まるで自分の権利みたいに女性社員に雑務を押し付けて、自分は楽をする。
女の私たちには、社会からひと思いに逃げ出す手段はいくらでもあった。そもそも私たちは、社会に歓迎されてはいないのだ。嫌な目に遭いたくないなら、そこに飛び込まなけりゃいいだけの話。
男はいいな。
仕事も家庭も、両方手に入れられて。
「ママも可哀想、パパも可哀想。みんな可哀想なんだから、お願い、あなたも泣かないで」
『ぼくは仕事ができない』と『「おれが逃してやる」』がおもしろかったです。