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なんでもメモする場所

ミン・ジヒョン『僕の狂ったフェミ彼女』

僕の狂ったフェミ彼女(ミン・ジヒョン、加藤慧訳、イースト・プレス) 「何が一番嫌かって、本当に自分がおかしくて、大げさなだけだったらどうしようって思っちゃうこと。みんな違うって言うし、本当に私がおかしいのかな? 違うのに」 セクハラ被害者ある…

多和田葉子『百年の散歩』

多和田葉子『百年の散歩』新潮社、2017 棚に子供の本ばかりが並んでいると花園のように見える。 同じ場所に留まっている人間は、自分の足に足枷がはめられていることに気づくことがない。これはローザが残した言葉だ。 自分が孤独だと認めてしまうのは気持ち…

エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして』

エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして』那波かおり訳、早川書房、2020(新版) なかにそっとチーズが詰められたズッキーニの花のフライ(蔓から摘まれたことに花たちは気づいていないかもしれないと思わせるほど、ものすごく繊細に料理されてい…

トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』

トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』村上春樹訳、新潮社、2008 いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの。 私はニューヨークが大好きなの。私の街とは言えないし、そんなことはとても無理だと思…

加藤貴子『大人の授かりBOOK - 焦りをひと呼吸に変える、がんばりすぎないコツ -』

加藤貴子『大人の授かりBOOK - 焦りをひと呼吸に変える、がんばりすぎないコツ -』ワニブックス、2018 不妊治療のドクターも、分娩担当のドクターも、「とにかくストレスをなくしてください」って言うんです。ストレスというのは、それほどまでに恐ろしいも…

牧野恭仁雄『子供の名前が危ない』

牧野恭仁雄『子供の名前が危ない』KKベストセラーズ、2014 日本社会そのものが、金持ちと貧乏人、知能の高い人と低い人、モラルのある人とない人、というふうに両極端に分かれてしまっているんです。そのようにおたがいに地続きではなく、別世界だ、というこ…

鴨長明『方丈記』

たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。 よのつねにおどろくほどの地震、二三十度ふらぬ日はなし。十日廿日過ぎにしかば、やうやうまどほになりて、或は四五度、二三度、もしは一日ま…

アーシュラ・K・ル=グウィン『いまファンタジーにできること』

アーシュラ・K・ル=グウィン『いまファンタジーにできること』谷垣暁美訳、河出書房、2011 (Cheek by Jowl. 2009) 好きな箇所 起て! 英文学科の学部生たちよ! トールキンはティンカーベル系統の愛らしい小妖精に殺意に近い憎悪を抱いていた 文学畑の人は…

松本杏奈『田舎からスタンフォード大学に進学した私が身につけた 夢をつかむ力』

松本杏奈『田舎からスタンフォード大学に進学した私が身につけた 夢をつかむ力』 KADOKAWA、2022 そこで、知識の活用先の独自性で戦うことにした。 自分の知識をどう活用するか、考えたことなかった。 戦略を立てるとなると、まず始めに、①自分の状況、②強み…

甘糟りり子『産まなくても、産めなくても』

産まなくても、産めなくても(甘糟りり子、講談社、2019) 無教養というのは知識のなさを指すのではない。想像力を欠いていることだ。 寄せては返す波を見ていると、不妊治療なんてしょせんは自然のリズムに歯向かうことでしかないと感じてしまう。 こういう…

甘糟りり子『産む、産まない、産めない』

産む、産まない、産めない(甘糟りり子、講談社、2017) 自由でいたいなら、同じ分だけ孤独を引き受けなければならない。 百合香のプライベートに強い興味があったわけではないが、儀礼的にプロポーズの言葉をたずね、嫌味にならない程度にうらやましいふり…

あんまり参考にならなかった妊活本のメモ

1.『母になるために大切にしたい妊活の習慣』服部雄志、WAVE 出版、2021 人工授精・体外受精・顕微受精においても、セックスの回数が多いほど妊娠率が高まるという海外の研究もあります。 なんでだろう?? 論文探してみようかな。 豆乳、バナナ、ヨーグルト…

横田佳昌『あなたは体外受精でなくても、妊娠できるのでは?』

横田佳昌『あなたは体外受精でなくても、妊娠できるのでは?』文芸社、2018 原因不明不妊だったら体外受精を続けないといけないと思っていたので、読んでみてよかった。以下はそのメモです。 当院では卵管が正常で精子も正常なのに妊娠しない、いわゆる原因…

山本文緒『ばにらさま』

山本文緒『ばにらさま』文藝春秋、2021 山本文緒は、2015年ころにエッセイ『結婚願望』だけ読んだことがあった。小説を読むのは初めてだったけど、とても好きな文章。以下はお気に入りの表現のメモ。 ばにらさま この界隈で働く女性は、大雑把にふたつに分け…

橋迫瑞穂『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』

橋迫瑞穂『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』集英社、2021 妊娠に関するスピリチュアルな言説に悩んでたのでこれは良い本。 そこには、産むことを決断する意味や価値を、自分の内側に積極的に見いださなければならない日本の現況がある。 なぜならこの…

ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』

ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』菅靖彦訳、サンマーク出版、2001 2015年11月28日に読んだ。トモコ・カーさんの Voicy を聞いて思い出した。 以下は当時の読書メモだけど、今読むとあんまり刺さらない箇所も多い。 もう一回…

山内マリコ『あたしたちよくやってる』

山内マリコ『あたしたちよくやってる』幻冬舎、2021 なにも買わなくても満たされるこんな遊びをする休日、彼女は春の庭をふわふわ飛びまわる蝶々になった気分で、都会の雑踏をすいすいかき分けてゆく。 好きな表現。 なーんだ、この人、守られてたのか。(. …

江國香織『とるにたらないものもの』集英社、2006

『とるにたらないものもの』(江國香織、集英社、2006) 2017年の8月に初めて読んだ。実家に置いといたのをたまたま見つけて、4年ぶりに読み返してみた。 信号の緑は青みがかった翠だが、たまに青くない緑の信号がある。(. . .)たぶん、型のふるいものなの…

山内マリコ『パリ行ったことないの』

山内マリコ『パリ行ったことないの』集英社、2014 それでいて旦那との仲だけが、年月に比例してどんどん濃密に、深まっていくのだ。友達と疎遠になり仲がしぼんでいく一方で、旦那との究極的に馴れ合った、死ぬほど心地いいドメスティックな安らぎだけが膨張…

成冨ミヲリ『絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法』

成冨ミヲリ『絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法』彩流社、2015 うまい人は元からうまいという考え方は、思考停止でしかありません。その人と自分は違うという風に切り分けてしまうのは非常に危険です。 クロッキー帳に見かけたものを…

大原真樹『女は好きなことを仕事にする』

大原真樹『女は好きなことを仕事にする』大和書房、2020 https://www.fatimamorocco.com/store/products/detail/1993 Kindle 版がなくて残念に思ってたけど、紙で正解だった。表紙のバブーシュがかわいくて、部屋にあるとテンションが上がる。 運命の仕事が…

たかぎなおこ『浮き草デイズ』

books.bunshun.jp 2016年に買ったけど何度か読み直し、昨日たぶん2年ぶりくらいに読み直した。ぐさぐさ刺さりまくり。 買った当時はぼんやりとたかぎなおこさんを憧れていただけだったけど、今はがっつりたかぎさんと同じ立場になっていた…!! 「ほら私 人…

吉田博展/東京都美術館

気に入った作品 朝露 雲井桜 上高地の夏 牧場の午後 上野公園 蜀葵 根津 正直八百屋 日田筑後川の夕(エモイ 夜と水面に映る灯りが) 休み茶屋(ピンクの絵の具に鉛筆の影がいい) 試してみたいこと 影を色鉛筆で描く、色を変えて 風景は手前が暗く、奥は薄…

林真理子『食べるたびに、哀しくって…』

林真理子『食べるたびに、哀しくって…』角川書店、1987 次の日の朝食のテーブルにのる、その黒く盛り上がったトンカツは、ちょうど父親のエゴイズムの象徴のように私には思われた。自分だけが楽しければ、自分が好きなようにその日暮らせればそれでいいと、…

江國香織『いくつもの週末』

江國香織『いくつもの週末』集英社、1997 月曜日の朝、私は夫が会社にいってしまうのがつまらなくて、つい仏頂面になってしまう。(. . . )そして、自分でも驚いてしまうのだけど、そのくせ夫を送り出した瞬間、ものすごい安堵の波がおしよせるのだ。(. . …

ジェフリー・ユージェニデス『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』

ジェフリー・ユージェニデス『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』佐々田雅子訳、早川書房、2001 The Virgin Suicides by Jeffrey Eugenides, USA, 1993. 気になる箇所のメモ! 日本人のような小さな目 真っ平らにならされた土地が二マイルも続いているの…

ソフィア・コッポラ『マリー・アントワネット』めも

Marie-Antoinette by Sofia Coppola, USA & France, 2006 ソフィア・コッポラ週間。 10年ぶりくらいに見た。多分、私が最初に一人暮らししてた家で、友達が泊りに来たときに見た。 色がかわいい。みんな Ladurée のマカロンの擬人化ってかんじ。 ヴェルサイ…

ソフィア・コッポラ『ヴァージン・スーサイズ』めも

The Virgin Suicides by Sofia Coppola, USA, 1999 ソフィア・コッポラ週間。今日は『ヴァージン・スーサイズ』。 見たの3回目かな。最初は2012年だった。杉浦さやかさんの『おしゃれの教科書』を見てから。 ガーリーでかわいい。ごちゃごちゃした女の子の…

メモ『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』浅田義正・河合蘭

浅田義正・河合蘭『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』講談社、2016 おもしろいところ、役に立ちそうなところのメモ 日本の文化には「できるだけ自然にしているのがよい」という無為自然を尊ぶ考え方がありますが、そのためか、まず治…

保坂さほ『販売員だった私が売れっ子フォトグラファーになるまで』

2017年の冬くらいに買ったはず。大掃除してたら出てきたので読み直しました。最初に読んだときはサラリーマンだったけど、今はフリーなので改めて読むと気になる箇所が違う…! それは常にオシャレな格好でいること、オシャレな雰囲気を見せること。なぜなら…